2012年4月24日火曜日

おおやさんのねこ

2ヶ月くらい、手術のために入院していた大家のおばぁちゃん。
公園で傷ついたねこを拾ってきては餌付けして我が子のように大事にしている。
うちのなまり節を、猫の餌として毎週取り寄せてくれているほど。
そんなに安い商品じゃないから、それだけでもいかに猫を大事にしているかわかる。
入院するときもとにかく猫ちゃん達を心配していた。

うちの母は絵でも贈ってあげたら、と言っていたが
なかなか時間がとれず先に大家さんが退院した。

しかし入院している間に猫が二匹亡くなったらしい。
入院生活も辛かっただろうに、更に追い打ちをかける出来事だっただろうな。
大家さんは涙目になりながら話してくれた。

そこで重い筆を持ち上げ、大家さんと猫達の絵を描いた。
私は絵はそんなに得意じゃないんだけど、
これが1番簡単で、気軽に飾れるスタイルだから。

書き上げてすぐ持って行った。
渡す時に私が先に泣いてしまった。
大家さんも涙目になって喜んでくれた。

こういう時、絵が描けて良かったと思う。
上手くはないけど、描くのに抵抗はないってことで。

もっと上手に描けるようになりたいなぁ。
たぶん、私は何かを作って、人に喜ばれるたびに、もっと上手くなりたいと思うけど
メディアを毎回相手に合わせるから、毎回違うから、
広く浅くなっていくんだな。

習字の先生

同級生のおじいちゃんが習字の先生をしているから
行ってみたら?
と母に勧められて通い始めた。

ちょっと嫌味っぽいけど優しい奥さんと、
穏やかで優しいおじいちゃん先生。

小学3年生の5月の課題は「ちまき」だった。毎年だった。
すると先生はいつも
「ちーまーきー食べたーべ 兄ちゃんが〜 はかぁってくぅれぇた せぇのぉ〜たーけ〜♪」
と、そのワンフレーズだけを
よく口ずさんでいた。
フルコーラスは聞いたことが無かった。

私は元々字を書くのが好きだったので、
何枚でも書き放題の教室はとても楽しかった。

帰るときには奥さんがお菓子をくれた。
電話は黒いダイヤル式の電話機だった。

高校進学と同時に辞めたが、
結局陸上部を辞めて書道部に入った私は
度々先生のところに相談に行った。

先生は教え子がまた来てくれたと嬉しそうだった。

高校を卒業してから、大学時代に一度だけ
先生の家の前を通った時に会えたことがあった。
お久しぶりですって挨拶したけど、私だってことがわかったのかちょっとわからなかった。
先生はだいぶ歳をとったような感じで、鼻毛はボーボーだった。

なんだか怖くなってそれ依頼一度も会っていない。
たくさんの生徒を教えて
その中のひとりでしかない私だけど
歳をとって記憶のキャパが小さくなるから
私なんてもうとっくにこぼれてしまっているんじゃないか。

2012年4月21日土曜日

腰の先生

そういえば、私が小さい頃、
水曜の夜になると整体師の先生がきていた。
50代か60代くらいの、四角い顔のおじさんだった。
いつも白い整体師の制服のような格好をしていた。

畳の客間に敷布団をしいて、ピンと貼った白いシーツをかける。
お店のご近所さん達が我が家に集まって
先生の施術を受けていた。

祖母は綺麗な器にお茶を入れ
その日の為に買ってきたお茶菓子を振舞うのを楽しみにしていた。
腰の先生がくる日は、美味しいお菓子が食べられる日だった。

小学校の修学旅行が近づいて、車酔いを心配した母が
先生に相談したことがあった。
治せますよということで、施術を受けた。
小学生の私の首と腰の骨がバキバキなった。
ものすごく痛かったけど、ぐっと堪えて我慢した。
すると、車に乗って10分で気持ち悪くなる私が
修学旅行で具合が悪くなることはなかった。

魔法の手を持った先生だと思った。

あの先生はまだ元気で生きてるのだろうか。
と、ふと思ったので書いてみた。
整体師の仕事に憧れたことがあったが、
もしやるのなら、あの先生に弟子入りしたい。

2012年4月10日火曜日

2012年4月9日月曜日

2012年4月3日火曜日

0331

0331

きょうのもくじ

・朝ランニング
・パパ・タラフマラ
・アートフェア

朝7時に起きれたので久々に走った。
体力が明らかに落ちている。
3キロ走って3キロ歩いた。
家に帰って食べ物が無くて
パンケーキを焼いた。

世の中のパンケーキブームは一体なんなのか。
家で作るパンケーキと何が違うのか。
確かめるためにパンケーキカフェに行きたい。

パパ・タラフマラの白雪姫を見て来た。
2007年依頼二回目。けど、あの時は半分寝てしまった。
今回はおもしろかった。何も考えないで見た。
だから最近いろいろ無理して考えすぎなんだと気づいた。
元々何も考えてないのに
なんとか言葉にしようとして
いろいろ考えて繋げようとしていた。いろんなこと。

先週、ピナバウシュを見たせいか
シンクロする場面が多々あった。
インスタレーションをやっていながら
実は、芸術の極みというか元祖というか果てみたいなものは
身体芸術とか踊りなんだー!と思っていたけど
それをピナとパパタラで再確認した。

ちなみに、編集の極みは漫画だと思っている今日この頃です。

小池さんはすごく言葉がわかりやすくて説得力があるから
あの人からあんな感覚的な作品が出てくることが
不思議でしょうがない。
感性に訴えるような、言葉で表せない作品を作る人は
言葉が苦手な人が多いと勝手に思っていたけど
やはり集団で個を創り出すには
言葉でも上手く伝えることができないといかんのだろうなぁ。

演者さん達の息づかいとか空気とか時間と場所がころころ変わっていくのも楽しかった。

身体能力高すぎて脱帽です。


アートフェア東京に行って来ました。
二年ぶり。
前回もギャラリーの方に呼んでいただいたのだけど
各ギャラリーの売りたい色が強すぎて
作品もなんだか面白いって思えるものもあんまり無くて
アートフェア、楽しくないって思ってた。
まぁ、これもひとつのビジネスだとは思うんだけど
ギャラリストの作品に対する愛よりも
売らなきゃっていう必死さみたいなものの方が強い気がして
私みたいな買わない客には冷たい感じ。

だから元々行く気なかったけど
予定がキャンセルになったので行ってみた。

今年のは素直に見れたしおもしろかった。
アート業界が元気な感じがした。
面白い作品もあったし
刺激的な作品もあった。
各ブースも売り方を工夫しようとしてた。
ギャラリーの色みたいなものも見えた。

震災の後で変わったのかな。
それとも私が変わったのか。

パワーのある作品が多かったから
私のつくりたい欲がもそもそ。
花火職人のところに行ってリサーチしたい。
樹脂ももっと上手く使えるようになりたい。

自分の部屋に飾れるか。
おばあちゃんの部屋に飾れるか。
と考えると
売れてる作品はそのイメージがしやすい作品が多い。
やっぱ壁に掛けられる「絵」は1番売りやすく買いやすくハードルは低いんだろうなぁ。
それ以外がダメだって訳では全く無いのだけど。
インスタレーションを作りたい立場としては難しいよね。
作品を売ることと作ることに関してはまだ自分の中では整理できていないから
今日はこのへんで。