2012年4月21日土曜日

腰の先生

そういえば、私が小さい頃、
水曜の夜になると整体師の先生がきていた。
50代か60代くらいの、四角い顔のおじさんだった。
いつも白い整体師の制服のような格好をしていた。

畳の客間に敷布団をしいて、ピンと貼った白いシーツをかける。
お店のご近所さん達が我が家に集まって
先生の施術を受けていた。

祖母は綺麗な器にお茶を入れ
その日の為に買ってきたお茶菓子を振舞うのを楽しみにしていた。
腰の先生がくる日は、美味しいお菓子が食べられる日だった。

小学校の修学旅行が近づいて、車酔いを心配した母が
先生に相談したことがあった。
治せますよということで、施術を受けた。
小学生の私の首と腰の骨がバキバキなった。
ものすごく痛かったけど、ぐっと堪えて我慢した。
すると、車に乗って10分で気持ち悪くなる私が
修学旅行で具合が悪くなることはなかった。

魔法の手を持った先生だと思った。

あの先生はまだ元気で生きてるのだろうか。
と、ふと思ったので書いてみた。
整体師の仕事に憧れたことがあったが、
もしやるのなら、あの先生に弟子入りしたい。

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